updated on February 7, 1997
水産学会春季大会(日大藤沢校舎4月3日頃)

マサバ資源の持続可能で最適な齢別季節別漁獲方針

松田裕之(九大理)・山内淳(長崎大水産)・松宮義晴(東大海洋研)

【目的】マサバ太平洋資源は産卵期にはたもすくい網漁業、索餌期にはまき網漁業などが漁獲している。1980年代の資源低迷後も未成魚と成魚を漁獲し続けていることが、資源の減少に追い打ちをかけていると考えられる。本講演では1982年級群において持続可能な漁業か可能であったか、可能とすればいつ、何歳以上のサバをとればよかったかを議論する。

【方法】推定産卵量N0、齢別季節別漁獲尾数、齢別産卵数と齢別体重をもとに、未定常数法により全体の産む産卵量PがN0以上になるという制約の下で、最も漁獲量の多い漁獲方針を求めた。

【結果】ある年齢のサバを漁獲すべきかどうかはその個体の経済価値V(体重)、その個体を見逃して将来成長してからとる場合の期待価値H(収穫価と呼ぶ)、その個体がそれから死ぬまでに産む卵の数の期待値R(繁殖価)と年齢によらない打撃係数hにより、V>H+hRのときに漁獲し、それ以外では漁獲すべきではない。この年級群では、未成魚は周年とるべきでなく、3〜4歳の産卵期の成魚もとるべきでないが、索餌期の成魚は漁獲できる。

松田 裕之


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