万博会場予定地の種子植物絶滅リスク評価

松田裕之

1999年4月16日一部改訂(青字部分)
1999年6月22日一部改訂(赤字部分)

 1999年3月、2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価準備書が博覧会協会から公表された。同時に同じ場所で名古屋瀬戸道路、新住宅事業などの地域整備事業に係る環境影響評価準備書も愛知県から公表された。それらの中に会場候補地(愛知県瀬戸市、海上の森)内の貴重種の個体数(及び箇所数)、(直接改変による)消失個体数(及び箇所数)が記されている(万博493-501536-543、住宅2:131-139173-181、道路2:140-150192-202)。万博事業による消失数と地域整備事業による消失数を分けているが、地域整備事業で造成した土地を万博で使うため、本来は一体のものである。

 これらの準備書から、注目すべき植物種について、事業を行わない場合と行う場合のこれらの植物の絶滅リスク評価が可能である。準備書によれば、会場予定地内の貴重種の現存個体数、直接改変による消失個体数は表1の通りである。

 分類学会がまとめた現存個体数Npと減少率1-R(環境庁が今夏刊行する植物レッドデータブックで公表予定)から、各種について以下の指標を求めた。ただし、分類学会の全国調査は単位面積についてみれば今回の環境評価に比べて調査強度が低い。Npは実際の個体数の最小推定値であり、過小評価しているものと思われる。そこで、実際にはどの種もそのa倍の個体数があると仮定した。海上の森付近のシマジタムラソウの個体数は分類学会の調査に比べ、今回の調査はあきらかに多い。補正係数aはどの種も共通と仮定し、a=10の場合とa=100の場合を表に示した。補正係数の値は環境評価の調査強度により、常に10倍と置くのが良いとは限らない。

1)全国個体数aNp:その対数値を示した(a=10)。つまり、4は1万個体以上10万個体以下を表す。

2)広域度。10km格子の地図何枚分に分布しているかを示す分布数Lから、logeLを広域度とした。

3)地域内個体数N1。準備書に記載されている。

4)直接改変による消失個体数N2。準備書では万博事業による消失数と地域整備事業による消失数を分けているが、地域整備事業で造成した土地を万博で使うため、本来は一体のものであり、その合計数を示した。

5)全国比重要度N1/aNp:全国個体数と会場個体数の比で、数%なら「4」、0.1%以上なら「3」、0.01%以上なら「2」、0.001%以上なら「1」、そして0.001%未満なら「0」とした。

6)個体数消失度N2/aNp。全国個体数と直接改変による消失個体数の比で、やはり数%なら「4」、・・・0.001%未満なら「0」とした。ただし、これには踏み荒らしや環境改変による間接的な影響は含まれていない。影響の最小評価値と考えるべきである。準備書では、間接的な影響については定性的に予測されている。

7)直接改変による個体数減少による絶滅待ち時間Tの短縮の度合い。ここでは、絶滅平均待ち時間T(N)を計算する回帰式

 T(N)=-10.1 - 8.9log(N)/log(1-R)

を用いた。全く消失がない場合T0=T(aNp)と会場内の全個体が消失する場合T2=T(aNp-N2)より、D2=1/T2-1/T0を求め、さらに7-log(D2)の値を示した。10-7以下は無視した。

8)会場内の全個体数が消失した場合の絶滅待ち時間Tの短縮の度合い。前項と同様の指標D1=1/T1-1/T0を求め、7-log(D1)を示した。一般に、事業が絶滅危惧種に与える影響は(a)現存個体数Nを減らすことと(b)減少率Rを上げることが考えられる。万博は一過性の事業であるから、今回は直接改変による現存数の低下だけを考え、減少率は変わらないと仮定した。

 植物レッドデータブックに記載された個体数は概数であり、数字をすべて出すことに意味はないので、上記のような概数(または桁)だけを示すことにした。

 ムヨウラン類Lecanorchisのうち、調査地域に生息しそうな貴重種はキイムヨウランLecanorchis kiiensis以外では矢原徹一氏によると普通種のクロムヨウランL. nigricansまたはムヨウランL. japonicaの可能性があり、今回の解析からは除外した。

 愛知県SOSなどに載っているが、全国的には調査対象種になっていないスミレサイシン、スズカカンアオイ、ミズギボウシ、ミカワチャルメラソウ、コタチツボスミレなどは今回は評価していない。これらの種にはかなり大きな影響があると思われる。単に全国規模での絶滅リスクだけではなく、愛知県またはその周辺地域における絶滅リスクについては、植物分類学会から各調査点のメッシュ情報が公表されるのを待って解析する。上記の5つの指標を表1に示した。表1は、会場内の全個体数が消失した場合の絶滅リスクへの影響Dの大きな順に並べている。

 

 上記の結果、直接改変による影響だけでも、シマジタムラソウ、オオヒキヨモギ、ウンヌケ、シデコブシ、ヒメコヌカグサ、シラン、クロヤツシロラン、サクラバハンノキ、キンラン、タチキランソウの順にそれなりの影響が出ることがわかった。イトトリゲモは準備書に個体数を記していないが、N=数十個体と仮定するとやはりシデコブシ全滅より大きな影響がある。絶滅リスクの上昇Dの絶対値は補正係数aの値により変わるが、相対的な順位は変わらない。また、誘致前に保全のために計画を変更したシデコブシの影響は、会場内のシデコブシが全滅した場合より小さいオオヒキヨモギは全国調査の精度に問題(芹沢、私信)があって即断しかねるが、シマジタムラソウウンヌケの種は、直接改変による消失だけでもそれ以上の影響が予測され、この影響は避けるべきである。さらに、間接的な影響についても検討すべきである。この結果は、単純に全国の個体数と本事業での消失数の比が高い順と概ね一致する。ただし、もともと絶滅の恐れが高い種ほど、影響が大きくなる。

 なお、この議論はすべての種の日本における絶滅を等価に扱ったが、世界的な分布、近縁種の有無により重み付けをすべきである(Weitzman 1993)。同様に、全国では絶滅の恐れがなくても、東海地域における多様性の保全を考慮すべきである。

 このような絶滅リスク評価は、生態系過程の保全ではなく、希少種の消失のみを議論し、希少種偏重に繋がり、種内の地域的変異の保全を考慮していないなどの限界がある。しかし、定量的に評価できると言う強みは有効である。植物レッドデータブックの基礎情報は、現時点では最も精緻で強力な情報であり、今後の環境影響評価においてきわめて有効だと思われる。

 今回の結果は、矢原徹一氏、芹沢俊介氏、植田邦彦氏をはじめとする植物分類学会専門委員会、2005年日本国際博覧会協会から提供いただいた未公表データに基づくものである。特に上記3名の方には本稿の解析を行う際に助言いただいた。

Weitzman, ML (1993) What to preserve? An application of diversity theory to crane conservation. Quart. J. Econ. 108:157-184.

表1 万博・地域整備事業準備書に見られる貴重植物の絶滅リスク評価。本文参照。

掲載順

種名

RDB

aNp

lnL

N1

N2

a=10

a=100

N1/aNp

N2/aNp

D1

D2

N1/aNp

N2/aNp

D1

D2

12

シマジタムラソウ

VU

4

3

4370

447

5

4

3

2

4

3

2

1

19

ウンヌケ

VU

4

4

1721

108

4

3

2

1

3

2

1

0

21

サギソウ

VU

5

5

2143

0

4

0

2

0

3

0

0

0

8

カザグルマ

VU

4

5

503

0

4

0

2

0

3

0

1

0

13

オオヒキヨモギ

VU

4

4

137

31

3

3

1

1

2

2

0

0

4

イトトリゲモ

EN

4

4

   

0

0

0

0

0

0

0

0

7

シデコブシ

VU

5

4

1554

140

4

3

1

0

3

2

0

0

18

シラタマホシクサ

VU

4

3

78

0

3

0

1

0

2

0

0

0

22

ミズトンボ

VU

5

5

340

0

3

0

1

0

2

0

0

0

27

ミカワショウマ

nt

4

2

226

0

3

0

1

0

2

0

0

0

23

サクラバハンノキ

nt

5

5

711

88

3

2

0

0

2

1

0

0

25

ヒメコヌカグサ

nt

6

5

1888

681

3

2

0

0

2

1

0

0

26

シラン

nt

5

5

64

41

2

2

0

0

1

1

0

0

5

クロヤツシロラン

EN

4

4

2

1

1

1

0

0

0

0

0

0

20

キンラン

VU

4

6

2

1

1

1

0

0

0

0

0

0

24

タチキランソウ

nt

5

5

127

33

2

1

0

0

1

0

0

0

1

キイムヨウラン

CR

2

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2

ミカワシオガマ

EN

3

3

1

0

2

0

0

0

1

0

0

0

3

サガミトリゲモ

EN

4

3

 

0

0

0

0

0

0

0

0

0

6

ミズニラ

VU

5

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9

イシモチソウ

VU

4

4

58

0

2

0

0

0

1

0

0

0

10

ハナノキ

VU

3

3

1

0

2

0

0

0

1

0

0

0

11

クサナギオゴケ

VU

4

4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14

ムラサキミミカキグサ

VU

5

5

13

0

1

0

0

0

0

0

0

0

15

キキョウ

VU

5

6

15

0

1

0

0

0

0

0

0

0

16

イトモ

VU

5

5

 

0

0

0

0

0

0

0

0

0

17

ミカワバイケイソウ

VU

4

3

3

0

1

0

0

0

0

0

0

0

 

シデコブシの多様度保全に係わる影響評価

松田裕之

 

 準備書(万博502-506544-546564-566)に記されているシデコブシ集団の分布状況と遺伝子構成では、ヘテロ接合度を遺伝的多様度の指標とし、直接改変によるその低下が軽微であることから影響が少ないと述べている。これでは、頻度の少ない対立遺伝子の保全を計ることができず、不適切である。

 より重要な指標は対立遺伝子数そのものの保全であり、まれな対立遺伝子の絶滅リスク評価である。以下にその方法と結果の概要を述べる。

 調査地域内に分布しているシデコブシ全個体数は株数にして1554個体であり、アロザイムを調べた全標本数は19集団1036配偶子である。各集団ごとの全個体数は準備書に記載されていないが、集団3,4がそれぞれ300150個体、集団2,7,11がおよそ60個体ずつあると仮定した。その他の集団は全数調査である。この調査ではクローンは同一個体と見なしたため、全数は株数と一致しない。全数調査を行わなかった集団については、観察された対立遺伝子頻度がその集団全体を代表すると仮定し、観察数×(集団個体数/標本数)をもって存在数とみなした。

 別表にあるとおり、19集団全体としての希少対立遺伝子(遺伝子頻度5%以下)はGOT-1aLAP-1aLAP-1cLAP-2cLAP-2e6PG-1a6PG-2cSKD-2bPG1-1dPGM-1eIDH-1cTP1-1cTP1-3c13ある。直接改変により消失する集団15,16,18,19には、3つの遺伝子座にそれぞれ一つずつ、希少な対立遺伝子(LAP-1a, LAP2c, 6PG-1a)をもつ個体が多数含まれている。各小集団の標本数が少なすぎて統計的に有意な議論はできないが、小集団2,6,9,17,18はこれらの希少対立遺伝子がどれも少ない傾向にある。各集団の遺伝的関係(準備書の図6-15-6)を見る限り、集団1819を潰すのはまだよいとしても、集団1516を潰すことは、調査区域内におけるこれらの希少対立遺伝子の個体数を顕著に下げる。

 mtDNAhaplotypeを調べれば、あるいは機能をもつ遺伝子については、希少なhaplotypeまたは対立遺伝子を保全することに意味があると考えられる。今回のような中立遺伝子の酵素多型の場合、希少対立遺伝子を残しても、その遺伝子座の遺伝的変異は保全されるが、他の遺伝子座の遺伝的変異を保全する保証はない。明確にまれな対立遺伝子が多く含まれている小集団があれば、このような遺伝的多様度の解析は保全措置を図る上で重要だが、その場合にはヘテロ接合度の増減により影響評価を行うべきではない。また、今回の結果からは遺伝的多様度はそれほど重要ではない。

 参考までに、今回調べた酵素多型に関する希少対立遺伝子の絶滅リスクの評価方法を述べる。4つの直接改変域だけが消失し、その他に影響がないと仮定すると、それぞれの対立遺伝子のこの地域における平均余命の減少D(1/T)は4つの希少対立遺伝子(LAP-1a, LAP-2c, 6PG-1a, TP1-1c)0.1%以上であり、分析した全対立遺伝子におけるD(1/T)の総和は1.3%である。

 別表に斜体で示したまれな対立遺伝子を含まないか、少ない集団を4つ探すと、たとえば集団6,9,17,18が消失した場合の方が、シデコブシの多様性保全に限って言えば、ほぼすべてのまれな対立遺伝子に対する影響を軽減することができ、またすべての対立遺伝子に対する影響も全体として少なく、D(1/T)の総和は0.4%である。このように、まれな遺伝子の絶滅リスクに与える影響を評価すべきであった

 また、各小集団だけが消失したとき、調べた全対立遺伝子の平均余命の逆数の総和Σ(1/T)がどれだけ増えるか4+log10[DΣ(1/T)]を求め、表1に示した。値が大きいほど影響が大きいことを表す。この結果、小集団2、6、9、16、17、18、19の影響が、そのほかの物と比べて小さいことがわかる。

 なお、直接改変による消失だけを問題にし、間接的な影響を全く考慮していない。万博の実施計画書には間接的な影響を定性的にせよ予測すると明記されており、不十分である。

 はっきり孤立集団であることがわかったならともかく、今回は特に遺伝的に孤立した小集団はなく、むしろ全体として(さらに海上の森の外とも)交流のあるメタ集団であることを示唆している。19の小集団の位置から、ある程度は移出入の構造がわかるかもしれないが、移住率などは推定できないだろう。はるか有史以前からシデコブシは遷移により消失し、自然かく乱により生じた新たな生息適地で自生して維持されてきたと考えられる。だとすると、メタ集団としての存続可能性を評価すべきである。似たような遺伝組成を持つ(あるいは交流している)集団が他にあるからつぶしてもよいと言う評価はたいへん危険である

 

表 調査区域内のシデコブシ19集団のアロザイム対立遺伝子標本数。左端は遺伝子座名と対立遺伝子名。斜体はまれな対立遺伝子。各遺伝子座における対立遺伝子標本数の合計は標本数の2倍になる。N1N2は直接改変によりそれぞれ集団15,16,18,19(準備書どおり)、集団6,9,17,18(より影響が少ない4集団)の個体が消失した場合の各対立遺伝子数。(入力ミスを確認中)

集団No

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

N0

N1

N2

個体数

30

60

300

150

30

30

60

30

30

30

60

30

33

30

38

32

12

5

8

998

標本数

30

30

30

30

30

30

30

30

30

30

30

30

33

30

38

32

12

5

8

518

DΣ(1/T)

2

1

2

4

4

1

2

2

1

4

2

4

3

4

2

2

1

0

1

GOT-1

a

0

1

0

0

0

1

10

1

0

0

0

7

13

0

0

0

0

0

3

47

41

46

b

60

59

60

60

60

59

50

59

60

60

60

53

53

60

76

64

24

10

13

1949

1763

1796

LAP-1

a

1

5

3

8

7

0

5

0

1

0

0

0

3

0

2

8

3

0

0

115

105

111

b

54

55

57

50

53

58

55

60

59

60

56

60

59

60

65

51

19

10

16

1836

1668

1690

c

5

0

0

2

0

2

0

0

0

0

4

0

4

0

9

5

2

0

0

45

31

41

LAP-2

a

0

0

24

18

2

0

0

17

12

3

6

1

2

6

0

12

2

0

0

399

387

385

c

1

0

1

3

0

3

0

0

3

0

0

0

1

2

10

12

0

0

0

57

35

51

d

58

60

35

39

58

57

59

41

45

57

54

59

59

52

66

40

22

10

16

1531

1373

1397

e

1

0

0

0

0

0

1

2

0

0

0

0

4

0

0

0

0

0

0

9

9

9

6PG-1

a

0

1

0

1

9

0

0

0

0

1

4

0

0

0

0

0

3

0

6

34

22

31

b

60

59

60

59

51

60

60

60

60

59

56

60

66

60

76

64

21

10

10

1962

1782

1811

6PG-2

b

60

60

60

60

60

60

60

60

60

60

60

59

66

60

76

64

24

10

16

1995

1803

1841

c

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

1

1

1

SKD-2

a

38

52

57

56

31

57

44

60

59

60

44

46

46

54

73

59

24

8

13

1758

1584

1610

b

0

0

2

2

0

0

5

0

0

0

4

0

16

0

0

0

0

1

0

65

63

64

c

22

8

1

2

29

3

11

0

1

0

12

14

4

6

3

5

0

1

3

173

157

168

PG1-1

a

10

27

23

22

30

42

31

37

39

44

59

56

29

24

38

33

13

4

13

986

881

888

b

3

24

8

14

28

4

4

1

0

2

0

0

18

26

20

18

5

0

0

331

293

322

c

47

9

29

23

2

14

25

22

21

14

1

4

19

10

18

13

6

6

3

674

625

627

d

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

5

5

5

PGM-1

b

7

11

13

13

9

29

26

15

21

13

7

14

31

27

34

13

11

0

7

514

453

453

c

34

29

35

35

36

8

14

19

24

20

21

17

4

3

35

13

13

5

4

888

822

838

d

19

20

12

12

15

23

20

26

15

23

32

29

31

30

7

38

0

5

5

590

525

547

e

0

0

0

0

0

0

0

0

0

4

0

0

0

0

0

0

0

0

0

4

4

4

IDH-1

a

29

57

59

25

19

31

38

60

60

29

57

59

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19

47

42

24

10

9

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1361

1363

b

31

3

1

35

39

29

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0

0

31

3

1

35

39

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22

0

0

7

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475

c

0

0

0

0

2

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0

0

0

0

0

0

0

2

0

0

0

0

0

4

4

4

DIA-1

a

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39

30

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10

28

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55

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5

12

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c

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21

30

28

2

24

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5

18

28

8

56

21

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5

4

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776

794

TP1-1

a

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2

4

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15

15

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0

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b

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c

0

0

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74

81

TP1-2

a

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4

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50

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33

50

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b

9

56

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20

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10

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27

10

9

16

7

7

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12

0

0

7

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648

643

TP1-3

a

60

58

50

50

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58

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60

57

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69

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c

0

2

10

10

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2

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0

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1

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0

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ACP-1

a

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14

31

21

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23

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0

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b

4

39

29

24

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6

46

29

39

37

37

58

35

33

52

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13

7

16

1052

924

987

ACP-2

b

28

47

47

58

41

49

60

41

38

37

22

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14

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c

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13

2

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0

19

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2

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426

444