日本水産学会シンポジウム(予定:2007年9月函館大会)

「海を守り,食を保障する持続的漁業―海洋保護区と自主管理型漁業」

主 催:日本水産学会,水産環境保全委員会
後 援:北海道大学水産学部,函館市(予定),函館国際海洋・水産都市構想協議会(予定)
期日:平成19年9月28日(金)午後13:00〜17:00
会場:函館市港町3-1-1 北海道大学水産学部 講義棟・大講義室

企画者 桜井泰憲(北大水産)・松田裕之(横浜国大)・牧野光琢(中央水研)

開催趣旨
枯渇した資源の回復や海洋生態系の保全を目的とする水産資源の順応的管理として,海洋保護区(MPA)や自主管理型漁業の優れた事例として,秋田のハタハタ禁漁、京都でのズワイガニ資源回復などが存在する。しかしながら、海洋生態系の保全と持続的漁業の共存を目指して、海洋保護区や自主管理型漁業の利点・欠点を国内で充分議論してきたとは言い難い。2005年に知床が世界自然遺産に登録された。日本では始めて海域を含めた世界自然遺産であり、登録海域内外で漁業が行われており、その管理計画を作ることがユネスコから求められている。登録の際には海洋保護区を設けることの是非が議論された。海域管理計画には知床の漁業者が実施している漁獲規制などの自主管理の実情と有効性を科学的に解明し、国際的な認知を得ることが重要である。本シンポジウムでは、MPAの国際的動向、日本や途上国の沿岸漁業で行われている自主管理の具体例を紹介する。同時に、国立公園、海中公園、自主管理による禁漁区など日本で実施されている広義の海洋保護区と漁業管理との関係を議論する。

講 演 (講演25分,質疑5分)
1. 13:00-13:30 海の生態系を守る持続的漁業とは  (松田 裕之 横浜国大)
2. 13:30-14:00 海洋保護区の国際的な動き     (加々美 康彦 鳥取環境大)
3. 14:00-14:30 日本の漁業制度は世界を先導する (牧野 光琢 中央水研)
4.14:30-15:00 なぜ,京都のズワイガニは復活できたか(山崎 淳 京都府海洋センター)
 休 憩 15:00-15:15
4. 15:15-15:45 イカナゴを獲りながら資源を守る伊勢湾の漁業 (冨山 実 愛知水試)
5. 15:45-16:15 誰が秋田のハタハタを守ったのか (櫻本 和美 東京海洋大)
6.16:15-16:45 知床世界自然遺産―海を守る漁業を考える (桜井 泰憲・帰山 雅秀 北大水産・石田良太郎・釧路水試)
7.16:45-17:00 まとめ(コンビーナー)