第12 回日本生態学会公開講演会 ポスター
「数えることで見えてくる!―生物の数の不思議―」

2009年3月20 日(金)14:30〜17:30
盛岡市民文化ホール大ホール(マリオス内)(U 会場)

企画責任者:第12 回日本生態学会公開講演会企画委員会

生態学の教科書である「Ecology」(1972 年、C. Krebs 著)によれば、生態学とは「生物の分布と個体数」を明らかにしようとする学問分野です。今日、生物多様性の保全、自然再生、地球温暖化が生態系に及ぼす影響の評価等々、生態学がカバーする領域はきわめて多岐に亘っていますが、生態学の本質は今なお「生物の分布と個体数を調べる」ことにあるといえるのではないでしょうか。例えば、「野生動物と人との共存」のような社会学的な要素の絡む複雑な問題においても、人を含めた対象生物の分布と個体数を明らかにすることが問題解決の基本となると考えられます。
今日、生き物の数を把握し解析する技術と理論は飛躍的に進歩し、さまざまな領域で大きな成果が得られています。生態学において「数を調べる」ことの重要性は、ますます強く認識されるようになっているといえるでしょう。
この公開講演会では「生き物の数」をテーマとして、その不思議、個体数や捕獲数の変動などを中心に、生態学研究の最新の成果をわかりやすく市民に紹介します。生き物の数を把握することの難しさ、数を把握することで見えてくる面白さ、さらにそれが私たちの生活とどのように関わってくるのかを、この講演会を通して市民に広くアピールしたいと考えています。

主催者挨拶
1. 齊藤隆(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)「動物の数から何が分かるのか? 野ネズミの個体数変動を例に」
2. 正木隆(森林総合研究所)「森林の結実を測り、予測する・・・ブナ豊凶の全国予報への途」
3. 岡輝樹(森林総合研究所)「クマとブナの微妙な関係」
休憩
4. 吉村仁(静岡大学創造科学技術大学院)「素数ゼミの秘密」
5. 松田裕之(横浜国立大学環境情報研究院)「サンマはいつまで豊漁か?−漁獲量の変動と環境に優しい漁業の未来−」