講義内容:(下記3回のうち、2回以上出席すること)
生態系は人為的影響がなくても絶えず変化する非定常系である。そのダイナミクスを力学系などの数理的手法を用いながら解説し、同時に下記のような具体的問題を紹介する。高校時代の数学が理解できることが望ましい。
7/14, 13-16時 サバの未来を読む(浮魚類の個体数変動機構、持続可能な漁業、非定常最適化)
7/15, 13-16時 野生生物管理(エゾシカ保護管理計画、不確実性、Feedback管理、齢構造模型)
7/16, 13-14時半 絶滅の恐れを試算する(マグロの絶滅確率、植物Red
Data Book、環境Risk論)
<生態研セミナー>7/16, 16-17時
異形配偶の起源と収束安定性
No.1 サバの未来を読む
浮魚類の個体数変動機構
(以下、水産庁の頁)マイワシの話、魚種交替
持続可能な漁業 1995年京都宣言
非定常最適化
参考書:松田裕之「『共生』とは何か」(現代書館)
問題:反証可能性と実証可能性の違いを述べよ/Heteroclinic cycle(May-Leonard軌道)とは何か/マイワシとタビネズミの個体数変動様式の相違点を述べよ/漁獲後資源量一定方策の長所と短所を述べよ/「泳がせ捜査」と未成魚保護の関係を述べよ/成長乱獲と加入乱獲の違いを述べよ
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No.2 No.2 野生生物の保護と管理
エゾシカ保護管理計画 北海道庁・計画の骨子、釧路支庁・エゾシカ対策
齢構造、成長段階モデル (Tuljapurkarの理論、セタシジミ管理計画、ミナミマグロのベビーブーム)
生態系管理
問題:齢組成、体長組成、成長段階組成の違いを述べよ/Leslie行列から個体数増加率はどのように求められるか/環境変動は個体数増加率にどのような影響をもたらすか/エゾシカ保護管理計画の特徴と課題を述べよ
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No. 3 絶滅の恐れとは何か
マグロの絶滅確率 The
IUCN Red List of Threatened Animals
植物Red
Data Book 環境庁の頁
環境Risk論
参考書:鷲谷いづみ・矢原徹一(1996)『保全生態学入門』(文一総合出版)、中西準子(19955)『環境リスク論』(岩波書店)、J.V.ロドリックス(1994)『危険は予測できるか』(宮本純之訳、化学同人)
問題:risk(危険度)とは何か、実証科学との比較で述べよ/なぜレッドリストは全個体数でなく、成熟個体数で評価するのか/損失余命とは何か/人口学的揺らぎと環境揺らぎを説明せよ
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No.4 進化ゲーム理論
異形配偶の起源と収束安定性
京都大学理学部2号館1階・第3講義室
参考書:メイナード=スミス(1982)『進化とゲーム理論』(寺本英・梯正之訳、産業図書)、R.
Axelrod著、松田裕之訳『つきあい方の科学』(ミネルヴァ書房)
問題:Nash解と協力解の違いを述べよ/ほとんどの生物は雌雄ほぼ半々で生まれる。それはなぜか/進化的安定性と収束安定性の相違を述べよ/非ゼロ和ゲームにおいて、自分の戦略を相手に知らせることが有利になることがあるのはなぜか
その他の参考書:
共立出版 シリーズ・ニューバイオフィジックス 第10巻 『数理生態学』(巌佐庸編)
松田裕之「『共生』とは何か」(現代書館)
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