加々美康彦・松田裕之・白山義久・桜井泰憲・古谷研・中原裕幸編 (2012) 海洋保全生態学. 講談社 4800円+税
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目次
はじめに (白山義久) p03
1章 なぜ海洋保全生態学か
1.1 知床世界自然遺産周辺海域の生態系保全と持続的漁業 (桜井泰憲)
1.1.1 はじめに p14
1.1.2 漁業管理への生態系アプローチと海洋保護区 p17
1.1.3 知床世界自然遺産の登録までの経緯 p18
1.1.4 知床の海域管理計画とIUCNによる全体評価 p20
1.1.5 日本が発信する自主管理型漁業と海洋保護区 p23
1.1.6 おわりに p25
実例 サケ属類による陸域生態系への物質輸送 (帰山雅秀) p26
2章 海の生態学
2.1 恵みを生み出す海洋生態系 (古谷研)
2.1.1 はじめに p30
2.1.2 海の有機物生産 p31
2.1.3 プランクトン群集 p34
2.1.4 物質循環からみた生物多様性の意義 p38
2.1.5 今,海で起こっていること p39
2.1.6 おわりに p40
実例@ アムール川が恵む親潮域の生産性 (中塚武) p42
実例A 放射性核種による環境汚染と海棲哺乳類との関係 (宮崎信之) p45
実例B 有機スズ化合物による海洋汚染の現状と今後の課題 (宮崎信之) p48
2.2 海洋生物の多様性 (白山義久)
2.2.1 海洋生物の多様性の特徴 p51
2.2.2 海洋生物の多様性はどこまでわかっているか? p52
2.2.3 「海洋生物のセンサス」プロジェクト p53
2.2.4 海洋環境に対する人為的インパクトの類型化 p61
2.2.5 いかにして,沿岸の生態系を守るか? p62
2.2.6 人間活動の影響 p63
2.2.7 忍び寄る海洋酸性化 p64
2.2.8 海洋生物の多様性保全に向けて p65
実例@ 藻場 (仲岡雅裕) p66
実例A 干潟 (加藤真) p69
実例B 深海生物 (Dhugal Lindsay) p72
実例C 微生物の多様性 (木暮一啓) p75
実例D サンゴ礁生態系保全とサンゴの移植 (鹿熊信一郎) p78
2.3 海洋生態系の生態系サービス−閉鎖性水域の保全 (堀正和)
2.3.1 はじめに p80
2.3.2 内海域とその生態学的特徴 p81
2.3.3 沿岸生物のメタ個体群研究と保全再生 p83
2.3.4 沿岸域の生物多様性・生態系サービスと空間スケール p87
2.3.5 内海域の持続的利用に向けた海域区分と今後の課題 p89
実例@ 魚付き林 (向井宏) p93
実例A 養殖の生態的負荷 (北澤大輔) p96
3章 海洋管理および漁業管理の法制度
3.1 国連海洋法条約 (林司宣)
3.1.1 はじめに p100
3.1.2 国連海洋法条約:海洋の国際的管理の法的枠組み p101
3.1.3 海洋環境の保護・保全に関する一般的規定 p104
3.1.4 生物資源の保存管理 p107
3.1.5 海洋生態系の保護・保全 p111
3.2 生物多様性条約 (磯崎博司)
3.2.1 海洋の生物多様性の主流化 p113
3.2.2 生物多様性を基盤とする持続可能性 p114
3.2.3 気候変動対策としての地球工学に対する規制 p120
実例@ バラスト水管理条約と外来生物 (福代康夫) p126
実例A CCAMLRと生態系アプローチ (大久保彩子) p129
3.3 統合的海洋管理 (中原裕幸) p120
3.3.1 国連海洋法条約,生物多様性条約等の国際的枠組み p132
3.3.2 海洋基本法・基本計画ならびに海洋関連の国内法制度 p134
3.3.3 海洋・沿岸域の総合的管理と漁業管理 p138
3.4 日本の自然公園における海洋環境保全政策 (岡野隆宏)
3.4.1 自然公園制度と指定状況 p142
3.4.2 自然公園における海洋環境保全の取り組み p144
3.4.3 海域公園地区の課題と展望 p147
3.4.4 おわりに p149
実例@ 自然公園とエコツーリズム (岡野隆宏) p150
実例A 地域おこしを通じた沿岸保全 (上村真仁) p152
3.5 日本の漁業制度 (八木信行)
3.5.1 日本の漁業管理の特色 p154
3.5.2 沿岸漁業の管理 p156
3.5.3 沖合漁業と遠洋漁業の管理 p158
3.5.4 海洋生物の資源及び管理に関する法律 p163
3.5.5 漁業者による自主的な共同管理 p163
3.5.6 権利準拠型の漁業管理 p166
4章 漁業管理の理論
4.1 水産資源の管理:自然科学の視点から (山川卓)
4.1.1 はじめに p170
4.1.2 水産資源の特徴 p170
4.1.3 水産資源の収支バランス(Russellの方程式) p171
4.1.4 年齢構成を考えないモデル(余剰生産量モデル) p172
4.1.5 MEY(最大経済生産量)とOY(最適生産量) p175
4.1.6 年齢構成を考慮したモデル(成長-生残モデル)とYPR p176
4.1.7 再生産とSPR p179
4.1.8 水産資源管理の手順 p181
4.1.9 漁業資源管理手法の分類と特徴 p182
4.1.10 水産資源管理の基本戦略:CES,CHR,CCS p185
4.1.11 生物学的管理基準と漁獲制御ルール p186
4.1.12 不確実性への対応とフィードバック管理,順応的管理 p188
実例@ 京都ズワイガニ漁業における順応的な保護区の設置 (牧野光琢) p190
実例A ハタハタの禁漁 (桜本和美) p192
実例B 伊勢・三河湾のイカナゴ漁にみる順応的禁漁区 (富山実) p195
4.2 漁業管理:社会科学の視点から (牧野光琢)
4.2.1 はじめに p197
4.2.2 日本における漁業管理制度の特徴 p198
4.2.3 漁業管理の目的と評価 p201
4.2.4 漁業管理の手法:管理ツール・ボックス p206
4.2.5 おわりに p209
実例 駿河湾サクラエビ漁業のプール制 (大森信) p211
5章 国際的な管理の動向と課題
5.1 公海漁業 (武井良修)
5.1.1 歴史的展開 p216
5.1.2 国連海洋法条約体制 p217
5.1.3 近年の展開 p222
5.1.4 むすびに p227
実例@ 水産資源管理に向けた消費者選択 (伊澤あらた) p229
実例A ワシントン条約と水産 (金子与止男) p232
5.2 海洋保護区 (加々美康彦)
5.2.1 海洋保護区(MPA)とは p235
5.2.2 今日のMPAが求めるもの p236
5.2.3 国際的な展開 p238
5.2.4 海外の先進的な実行 p242
5.2.5 日本とMPA p246
実例 ラムサール条約と漁業 (小林聡史) p252
5.3 捕鯨−鯨類資源の持続的利用を巡る国際情勢 (加藤秀弘)
5.3.1 はじめに p255
5.3.2 捕鯨業の概要 p255
5.3.3 捕鯨業の種別 p257
5.3.4 国際捕鯨委員会の変遷 p262
実例 IWC交渉と日本の調査捕鯨 (大久保彩子) p267
むすび (松田裕之) p270
参考文献と関連web p274
索引 p284
初刷の一部にある誤植など(矢印の右が正しい表記)
P2 宮崎信行 → 宮崎信之